第7章 34話 ハロウィン

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あれは確か俺が四歳くらいのとき、兄貴とお使いに行った帰りに俺が泣いてしまって兄貴が必死にあやしてくれたときだ。 「真緒、ほらお家でお母さんが待ってますよ。帰りましょう」 「やぁーだぁ~!!真緒、ママが来てくれるまでここに居るもん!!」 「そんなこと言わずに、一緒に帰りましょう」 「なぁんで!にぃにだけで帰ればいいじゃん!!真緒はここに居るの!!」 「…しょうがありませんね。ほら真緒、耳をすこしこちらへ、魔法の呪文ですよ“ ……………… ”」 あの時兄貴が何を言ったのかはもう覚えていないけど、俺はすごく嬉しかったのを覚えている。 「ほんと!?」 「あ、真緒…」 「なぁに?」 「やっと笑いましたね」 そう言って笑った兄貴の顔を俺は今も忘れない。 否、忘れられない。
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