第8話

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「それでは奥様はお父様と面識が。」 「多分あると思います。 私が子供の頃に台風で大雨の降った朝,猫を拾いました。 慌てて家に戻り母は猫をタオルで体を拭いてやり猫はすっかりなつきそれ以来猫を加えた生活になりました。 毎日朝出掛ける時、猫は母の膝の上で見送ってくれた物でした。 今朝も母が亡くった連絡が入った時に家を出る時に母と猫の幻を感じました。」 「これからもお母様と猫はあなたのお見劣りをすることでしょう。」 「一番辛かったのが母の病気がひどくなってこのホームに入れた時のことです。」 「そうでしょうね、奥様やお子さんがいてもね。」 「行き付けの医者からは、これ以上通院は無理と言われました。 医者からはたまたまここを紹介されたのはいいですけど経済的な問題よりも母に対しの裏切り好意だと思いました。」 「それでもお母はあなたに感謝してると思いますよ。」 「もう時間はありませんが一応挨拶はこれ位にして。」 「そうですか、それでは機会がありましたらお会いしましょう。」 「そうですね、家族が待ってるもんで。」 レイナは着任後初めての接客を果たした。 遺族の客は部屋を出て行った。
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