第2章の続き

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 蓮の腕力が有れば百人力だ。  復讐の成功率は跳ね上がる。  しかし、組織全体を壊滅させることはいくら蓮でも不可能だ。  ということはその後の組織からの報復を考えなければならない。  蓮共々生き延びるには、少なくともこの東京には居られないだろう。  そう考えると、蓮を愛する者としては決して巻き込むべきではない。  その時、蓮のハーフパンツのポケットで携帯が鳴った。  液晶を見た蓮が眼を閉じ息を大きく吐いた。  単調な着信音が10回程繰り返されたところで、意を決した様子の蓮が携帯を耳にあてた。  おそらくは警察か、もしくは怪我をさせた店長の関係者からだろう。  低い男の声が微かに漏れてくるが、その内容までは分からない。  蓮は時折り相槌を打つだけで、目をつむり黙って相手の話を聞いている。  5分くらいその状況が続いただろうか。  蓮がようやく言葉を発した。
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