第2章の続き

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 「ふざけるな。いくらなんでもそれは吹っかけ過ぎだろ」  どうやら相手は店長の関係者らしい。  「そんな金、逆立ちしたって出せないことくらい……判ってるじゃないですか」  途中から声のトーンが下がり口調が変わった。  相手が蓮の態度を咎めたのだろう。  「それは……給料から天引きすれば十分足りるはず……です」  不承不承態度を改めた蓮の対応は、その後更に5分程続いた。  そして電話を終えるなり悪態を並べ立てると黙り込んでしまった。  おおよその話の内容は分かった。  私の腹は決まった。  が、蓮が喋り出すのを待った。  どれくらいそうしていただろうか。  テレビのCMが途切れ、時報を知らせる音が鳴った。  時計は10時を指していた。  それが合図だったかの様に、蓮が口を開いた。
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