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「ふざけるな。いくらなんでもそれは吹っかけ過ぎだろ」
どうやら相手は店長の関係者らしい。
「そんな金、逆立ちしたって出せないことくらい……判ってるじゃないですか」
途中から声のトーンが下がり口調が変わった。
相手が蓮の態度を咎めたのだろう。
「それは……給料から天引きすれば十分足りるはず……です」
不承不承態度を改めた蓮の対応は、その後更に5分程続いた。
そして電話を終えるなり悪態を並べ立てると黙り込んでしまった。
おおよその話の内容は分かった。
私の腹は決まった。
が、蓮が喋り出すのを待った。
どれくらいそうしていただろうか。
テレビのCMが途切れ、時報を知らせる音が鳴った。
時計は10時を指していた。
それが合図だったかの様に、蓮が口を開いた。
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