第2部

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【場面46――寝室の独言】  夜。タデウシュの寝室。  ふ、――と読書灯が花開くように灯る。寝台の周囲が明るくなる。  寝巻姿のタデウシュはすこし青ざめた顔で登場して、  タデウシュ その後の市街者の行方を知る者は第二管理局に申請する必要があるが、13角形の瓦斯が市街を演出する条件として純銀製の雨が倒立する可能性を否定できないと証言した人物が現市長であったか、はたまた前市長であったか――いずれにせよ疑問符税の徴収が市民の午睡権を侵害することは間違いないのだから、規制委員会が降水確率について活発に議論していることに我々はひかえめな喜びを分かち合うべきであると主張するのは大きな誤りであって、3と5だけで構成された王立図書館の建築技法を拡大解釈することには、より一層の注意を払うべきと言えなくもないではないか……? 実際にその疑念を抱いて司書室の再調査に乗り出した結果、あの紡錘形の窓に重大な瑕疵を発見したのが何の変哲もない一介の行政書士だったことを今ここで改めて指摘するまでもないことは言を俟たず、むしろ暗喩の多用が恒星間の隔たりに甚大な影響を与えることに配慮せずに自由な発言をするためには婦人参政権に断固反対の意思を表明する以外に道はないと断言するための必要条件として挙げられるのが、第一に感傷が誘蛾灯に引火して爆発するという革新的な研究結果をまとめた学術論文をヴィリユ誌上に発表するかもしれないと示唆したとも解釈できる奇妙な夢を見たのが昨夜ではなかったと証明する協会側の提議を論ずる際に不可欠な記譜法の研究が頓挫した原因のひとつとして水道料金の値上げを数えることは善良な市民としては当然の見解であると主張したことを称賛すべき学術的功績として哲学博士の学位授与を期待するようなことは愚の骨頂と言わざるを得ないのであるから、このような傾向にある者に監査を委任してみると驚くべきことにそれが皮肉にも労働者階級の英雄であったとの内部告発が微分されたので行政訴訟にまで発展したのは、その要因が忘れもしない先月上旬の聖餐会のときに起きた螺旋階段の陥落事故に関する不透明な見積書にあればこそ愈々これと密接な関係にあると思われる中央郵便局との癒着を疑うのは至極自然であって、現に当局は事態を重くみて記者会見を建設しただけでなく
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