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しっぽ、さっきから太ももにびっしばし。
軽く痛いんだけど。
かがんで顔を近づけたら、べろーんって、あんたね。
躊躇なく、好きって言ってくれるのね。
ありがとう。
通りすがりみたいなもんなのに。
次にいつ逢えるかなんてわかんないのに。
ホントはあんたじゃなくて、
そのリードを握ってる、なんだか嬉しそうに、こっちみてる人が目当てだったの。
キラキラとひかる真っ直ぐなその瞳に、私はどう映るの?
わっしわしと力強く撫ぜたってまるで動じない茶色いラブラドール。
寧ろ振れるしっぽは、更に大きく。
ご、ごめんね。
こんなに純粋な君をダシにするなんて。
恥ずかしくなって顔を上げられずにいたら、前足あげて抱きついてきた君。
堪らずひっくり返ったけど、これもバチが当たったてなもんよね。
あー、空が青い。
なんて、呑気に反省してたら、あの人が慌てて起こしてくれたの。
「大丈夫?」
って最初は焦ってたくせに。
「ひっでー顔」
怪我がないと判るや否や、盛大に笑いだした。
うん、やっぱり好き。
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