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こんな恋愛初めてで、悩むこともいっぱいあった。
気を紛らわそうとランチに誘った友達のノロケ話で、余計に淋しくなって。
すぐに会えない距離を恨めしく思った。
私たちが離れた距離に比例するように
心まで離れてしまったような気がして。
不安になって、彼の胸の中で、熱い雫がこぼれ落ちた。
声が出ないように、唇を噛みしめて、泣いた。
とたんに、強く引き寄せられて
包み込むように抱きしめられた。
頭に顎が乗せられて
……「いつから起きてたの?」
泣いてるのを見られたくなくて、彼の胸に顔を埋めたままきいた。
「目覚めのキス、されたとこから?」
ちょっとバカにしたように彼は言う。
「ふふっ、バカ!起きてるなら言ってよね」
………わざとだ。
彼は私が泣いてるのを知って、わざと笑わせてくれたんだ。
そういう優しさも、彼の全部が
「好きだよ。大好き」
本当は、離れたくない。
でも、そんなこと言えるわけない。
本当のことを言ったら、彼が離れてしまいそうで。
こんな関係、いつまで続けていられるのかな?
この生活は、いつまで続くの?
そう思っても、
「俺も、愛してるよ。
お前に会えないことが、こんなに辛いとは思わなかった。」
そう言って、またギュッと抱きしめられる。
たまに見せる、彼の本音と弱さが、私の心を引き留める。
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