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実際に二十五歳の壁などはない。一年後に美由紀君がこのこと覚えていて何か言われたらどうしよう?そんなことを覚えている訳はないのに、そんな杞憂な状態になる。いやっ今、口裂け女という非現実的なことを考えるのが嫌で、違うどうでもいいことを考えたいのかもしれない。
「さて、美由紀君はさっき言ったものとかを買い物してきてもらえるかな?おれはその間、口裂け女についてと事件について調べてみるよ。美由紀君が帰宅したら、実際に現場を見に行ってみよう」
「分かりました。……そういえば気になったことがあったのですが」
美由紀君はドアノブに手を掛けると、思い出したかのように立ち止まり言った。おれはパソコンに移しかけた視線を美由紀君に向けた。
「何だい?」
「さっきの山下君の幼馴染が何で女の子って分かったのですか?」
「今までの事件七件で行方不明になっているのは二件目を除いて全てが男の子。それで男の子を狙っている行方不明だと思ったんだ。それで幼馴染が無事ということで女の子の可能性が高いかな?ってね」
「でも二件目は女の子なんですよね?」
「勝手な予想でボーイッシュな女の子だと思ったんだ。それか綺麗な人が好きな女の子。それで口裂け女の問いに引っ掛かったのかな?って。女の子は普通に綺麗な人がいて私って綺麗?って、聞かれるほど見惚れないだろ?だから今回の事件は男の子狙いの変わった犯人か、マジで口裂け女という予想」
「あらっ先生って意外と考えているのですね」
「んまぁ的外れな予想だと自分では思っているけどね。それに男か女かを当てるのは五分五分だしね」
「ふ~ん。それでは私は買い物行ってきます」
美由紀君は腑に落ちないような表情で事務所を出た。正直、推理なんかテキトーだった。たださっきの言ったことは、幼馴染が女の子の可能性が高いのは確かだった。男が幼馴染というのは女の子が大半だ。幼馴染の男の子ことは普通に友人と言うし。そんな推理は置いといて、調べなければな。
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