その弐・情報収集

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「そうだな。調べることは一旦終わり。行くか」 おれは上着のパーカーを羽織りながら言った。事件現場は遠くなく、事務所から歩いて十五分前後の場所なのだ。おれと美由紀君は事務所の後にして歩いてむかった。 しかし現場を見に行っておれ達は何をするのだろう?すでに警察が捜査し終わったような現場に何が残っているのだ?おれは早くも美由紀君が買ってきてくれたチュッ○チャプスを舐めながら考えていた。 「先生。先生は実際のところ口裂け女についてどう思っているのですか?」 「えっ?……んまぁ火のないところに煙は立たないと言うしからな。ゼロではないとは思う。しかしおれにはまだ口裂け女を受け入れるキャパが全くないんだよ」 口の中にチュッ○チャプスの味が広がる。コーラ味なのだが、コーラ味って何の味だ?イメージとして炭酸というイメージで味と聞かれると分からない。って、今はそんなことは関係ない。口裂け女だ。 火のないところに煙は立たないと言うが、その口裂け女は本物からの煙なのか、誰か人が口裂け女と変装してそう思わせての煙なのか、後者の場合だと結局今回の事件との関係性とは少し変わる可能性があるな。 「美由紀君は口裂け女についてどう思っている?」 「私は何でもありだと考えているので。世の中何が起きるか分からないので、口が裂けた女の人だっていると思いますよ」 美由紀君は余裕の笑みを浮かべているように見えた。おれも何だが、言うならば美由紀君は変わり者だ。んまぁ変わり者じゃなければ、おれと何か探偵事務所はやっていないと思うが、こういう考えも、マイノリティな考えなのかな?と思う。 さて事務所からあまり遠くない行方不明になったと思われる場所に着いた。今いる場所から50m以内で確実に事件は起きたのだ。トモ君の幼馴染も、この周辺で女性の姿を見たのだ。 場所は、人気はあまり無いシャッター街だ。お店は多いが九割以上が日中だと言うのにシャッターが降ろされている。これでは夜は人攫いにあっても気付かれにくい。しかし幾度か連続で事件があれば、そんな場所なら避けて通ることあるし、警察が巡回強化されているはずだ。
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