その弐・情報収集

7/7
前へ
/74ページ
次へ
んまぁ行方不明になっているのは学生だし、事件なんか大丈夫だし、この道の方が近道なんて考えて通ったのだろう。それでまさかの行方不明に、っていう流れもあり得る。 事件への依頼は考えることが多過ぎてややこしいな。ただ人探しや浮気調査の方がおれはこんなに考えないで済むのにな。 「なんか不気味な雰囲気ですね」 美由紀君は少し恐れているような感じだ。たしかに日中のシャッター街で人気がないのは不気味だ。 事件の場所だと思われる50m以内の場所を歩き回り何か手掛かりがないかを捜す。しかし当たり前のように手掛かりはない。それはそうだ。警察も事件起きたと思われる場所だし、くまなく捜査しただろうし、手掛かりは残ってないよな。 「そういえば、先生知っています?もう、この通りシャッター街になって潰れてしまったのですが昔、ここの何処か二階の病院が、芸能人が内緒で来ていた整形する病院だったって噂があるんですよ」 「へぇ~。それじゃあここに芸能人が良く来てかもなんだ」 おれは芸能人とかに興味はなく、軽く話を流すようにした。ここのシャッター街には美由紀君が言った芸能人の話のような、都市伝説的なものをあると聞いたことがあるが、所詮都市伝説だろう。 「美由紀君、もし本当に口裂け女なら、きっと夜に出ると思うし一旦引き返すか?たぶんここで調べての無駄かもしれない」 「えっ?あっはい」 「この事件は信じたくないけど口裂け女説から捜査しようか」 美由紀君は驚いた表情をしていた。ありそうな説はきっと警察が捜査していると思うし、おれはあり得ないだろう説から調べることにしよう。そう思ったのだ。 おれと美由紀君は一旦、現場での調査を止めて事務所に引き返した。そして夜にまたここにくる事を決めた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加