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「G県。何かあるかもしれないですね」
「美由紀君。行ってみるか?パソコンに向き合うより、目で見ようじゃないか」
思いつきのように言ったが、このままでいるより何か行動をしたいのだ。本物の口裂け女を見て、動かないではいられないのだ。
「行くっていつ行くんですか?」
「いつって今かな?時間がもったいないし」
パソコンを消して立ち上がった。冗談では無くマジだ。準備が出来たら行く気満々だ。美由紀君は驚いて目が点の状態だ。
「そんな今って泊まりになりますよね?旅館とかはどうするんですか?」
「そんなの何とかなるよ。金なら心配しなくて良いよ。とりあえず早く解決のために行かなければ」
たぶん本当は解決のためと言うより、口裂け女の正体を知りたいのだと思う。何故、存在して、どうしてそうなったのか?それをいち早く知りたいのだ。
美由紀君はおれが本当に行くというのが分かったのか、G県に行く準備をし始めた。荷物と言っても、着替えなどは事務所にある訳ではないから準備に時間はかからない。
「んじゃあ美由紀君行きますか?」
「はい。……でも下着などの変えはどうすれば?」
「買えば平気さ。とりあえず早く行くことが大事」
すぐに事務所を出て、タクシーをひろった。新幹線などで行く方が良いのかもしれないが、切符などのシステムがおれはよく分からないのだ。だからお金がかかってもタクシーを使っちゃおうという考えだが、G県までは普通に遠い。車ですいていれば四時間くらいだ。そこを、タクシーを乗り継いで行くのだ。リッチだな、おれは。
んまぁ全部タクシーじゃなくて、美由紀君が分かると言うので電車も乗ることにして、少し交通費を抑えることにした。出発しようと言ったのは十時頃だったかな?約六時間掛けておれと美由紀君はG県に着いた。
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