2人が本棚に入れています
本棚に追加
「大方、こいつの家で栽培してる激まずの野菜でも売ったんだろ」
「あ~なるほどね」
「あっ。そうだ。お前らにいいもん見せてやるよ」
バンディは得意気な顔をして、胸ポケットから親指程のクリスタルを取り出した。
その青色の輝きに取り巻きの少年たちは目を奪われる。
「嘘だろ……。“Cブルー”?」
「すげぇ。初めて見た」
「どうやって手に入れたんだよ?」
取り巻きたちは口々に驚嘆の声を漏らす。
「ああ、一ヶ月くらい節約したら貯まったんだ。一昨日クリスタルに入れたばかりだ」
「うちの生活費三ヶ月分をたった一ヶ月? しかもお前、眼イエローじゃねぇか。化けもんかよ」
「人を化けもん扱いしてんじゃねえよ」
取り巻きたちに誉められ、バンディは黄色の瞳を細めて満足気だ。
「まっ無能のお前には一生縁のないもんだけどな。ほら、可哀そうなお前にも持たせてやるよ。Cブルーのクリスタルに触るなんてこれが最初で最後だろうからよ」
ベンディは馬鹿にしたように言って、ショウの右手を強引に掴みCブルーのクリスタルを手にとらせようとしてきた。
「おい、いいのかよ。魔力盗まれちまうぜ?」
取り巻きの一人が心配そうに言った。
「大丈夫だ。この無能にはそもそも魔力を溜めこむ器がねぇんだからよ。それに万が一盗もうものならボコボコにして、吐き出させるしな」
「ハハッそれもそうか」
ベンディが笑い飛ばすと、取り巻きたちも合わせて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!