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「ちくしょうなんで受からねえんだよ。」
俺は志望校を見事に落ちてしまった。
県一入るのが難しいエリート校だったから落ちても仕方がないかもしれない。
でも、俺にはそこを受かるしかなかった。
理由は周りを見返すため。
生まれつき親がいなく親戚もいない。小学生卒業までは施設に入っていたがそんなのもバカらしくでてきてやった。
ただ12歳の俺がが生き延びれるはずもなく無様に倒れ意識を失った。
そこを運良く気のいいおじさんに救われそのあとなにかと面倒を見てもらった。
だが、中学に入るとそのことが周りに知られ廊下を歩くたびに
「こいつ、親いないんだって。」
「なんか知らない人の世話になってるらしいよ。」
「ほんと近づかないで欲しいわ。」
などの罵声をあびるはめに。
だから俺は周りを見返すために勉強し、県一の学校を受けた。
でも、そこを落ちたわけだ。
もう生きていく価値がない。いっそ死んでしまおうかな。
そしたら楽だろうな。
「ほお、永都(えいと)やそんなくらい顔してどうしたんじゃ。
まさか、高校に落ちたくらいで死のうなどと考えてはおらんじゃろうな?
まだまだ若いんだか人生を楽しむじゃの。」
そんな考えをしてるとおじさんがきた。この人には本当に頭があがらない。
考えてる事も筒抜けだ。
「おじさん、俺もう辛いよ。この世界に俺の居場所なんて存在しないんだよ。」
本当に辛いよおじさん。どうしたらいいんだよ。助けてくれよ。
心の中で俺は助けを求めていた。
やっぱり俺生きたい。死にたくなんかない。
「永都や、簡単な話じゃ。この世界に居場所がないならこの世界から出て行けばいいんじゃ。」
「なにいってるんだよ!おじさんまで俺にそんなこというのか?」
この時俺の心にあったのは裏切られた悲しさだけだった。
不思議と怒りはなかった。
「まぁそう熱くなるんじゃない。ほれこんなものが届いてたぞ。
異世界からの招待状じゃ。」
そう言うおじさんの手には一つの封筒がはいっていた。
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