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気になるご宿泊のお値段ですが、
宮沢賢治という人間のお方より、狸様が経営する料理店のノウハウを書籍にてご紹介して頂きましたのを、
私が脚色し、
“お客様次第”
と言う設定とさせて頂いておりますので、何とぞ、ご了承願います。
但し、
女性客や従業員に猥褻行為を働くヤマコや、男性客を食べようとする山姥、若しくは火災の種火となってしまう、鬼火や狐火の入館に関しては、
固くお断りしておりますが、
それよりも厄介なのが、私共猫股の商売敵、化狸や化狐が、何かに変化して当旅館に視察に来る事で御座いまして、
私の商い上のミスや不祥事の揚げ足を取っては強請りを掛けてくるのです……。
「タマコ女将は亦、変化に失敗した」
「先代が知ったら何と言うか」
「そうだ、あの事が知れたら、旅館の信頼はさぞかし落ちるだろう」
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