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 嘗ては野良猫の身分でありましたが、親切に名前を付けて下さったり、餌を与えて下さった、  ご主人様がおりました。  何十年経ち、猫股となった今でも人間と過ごした時の事のなんと楽しかった事か――、  忘れる事が出来ませんし、  河童様やウブメ様、座敷童も人間の子供が好きで、雪女郎や女郎蜘蛛様も人間の男に興味深々なご様子、  これならば、化狸や化狐でも考えつかない妙案だろうと賛成して頂いたまでは良かったものの、  異を唱えたのが、  人間に使われながらも捨てられた九十九神達で、自分達を捨てた人間を受け入れる事に抵抗がある様で御座います。  同じ人間に関わった妖怪同士、こうも人間に対する印象が違いますと、  会議がなかなか纏まらず、  私も頭が痛う御座いますが…。
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