伏魔ご殿

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　「だよね？　実は僕もよく知らない」

　皆、人間についてどれ程知っているかと訊ねたサトリ様なら知っているやも知れぬと期待していたのか、

　サトリ様も知らないと言う事に、驚きを隠せず騒然と致します。

　「僕も全てを知ってるわけじゃないさ、だからこそ、何泊か滞在して貰って、どうなのか様子を見るんだよ、

　良かったら人間を本格的に客にすれば良いし、悪ければこの話は、無かった事にすれば良い」

　なる程、先ず試してみてから考えようと言う訳で御座いますか？

　私共と九十九神の主張の両方を巧く取り持ったご提案で御座います。

　「取り持ったのかどうかは兎も角、ものは試しと言うだろう？」

　サトリ様、

　画期的で貴重なご意見、誠に誠に、有り難う御座います。

　「良いって事さ、タマコ女将、あの時のお礼だよ」

　サトリ様はそう仰られ、頭にチョンチョンと指を差されました。