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 申し遅れましたが、私は、悩みや考え事など、心に迷いが生じた時に、  変化の詰めが甘くなり、耳や尻尾が見えてしまう、悪い癖が御座いまして、  化狸や化狐に罵られたり、  こうやってご指摘頂いている訳で御座いまして、  「皆まで言わなくても……、  でも、案としては悪くないと思うな。それと包丁と鍋、万が一にでも刺したり叩いたりしようと考えない様に」  サトリ様は包丁や鍋の方にちらりと目を遣り、最後にそう仰いました。  そうと決まれば、  私共、伏魔ご殿の従業員一同、ますます気を引き締めて人間を接待する様、心掛けなければなりません、  何せ、伏魔ご殿に初めて人間を、滞在させる訳で御座いますし、  其れこそ、  失態を犯せば、化狸や化狐の格好の笑いの的になる事はおろか、伏魔ご殿の信頼はガタ落ち、  最悪、先代――いらっしゃるそうですが、私は見た事がありません――の耳に入れば、大変な事になってしまいます。  (了)
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