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他愛もない話をしながら、片道20分ほどの時間をかけて、ようやく学校へついた。 雪のせいで、道の状態が良くないため、ゆっくり歩けば結構な時間がかかる。 教室へ入ると、クラスメイトへの挨拶もそこそこに、まっすぐにヒーターの元へと向かった。 「…ふへぇ。」 暖かい。 ため息にも似た声が思わず口から零れ出る。 歩いて体が温まったとはいえ、やはり暖房器具がなければ、まともに授業も受けられない。 「おはよう。苗原がそうやってるのも、そのうち冬の風物詩の一つになりそうだな。」 背後の頭上から、やや低めの声が落ちてきた。
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