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季節は冬。 12月の上旬である。 つい先日、例年より早く降った雪によって白く染まったこの町は、寒がりの自分にとって、それはそれは苦行でしかなく、しいて言うなら刃物が体に突き刺さっているような感覚に陥っていた。 というか、実は本当に突き刺さっているんじゃないのかと疑いたくなるくらい、冷気が鋭くて痛い。 とはいえ、刃物が刺さったことなんて一度しかないので少し言い過ぎかもしれない。 「あ、あ、厚着してもまだ足りない、い、い…。」 ガチガチと歯が鳴って、聞くに耐えない言葉が零れ落ちる。 「えー?制服込みで、5枚は着込んでなかった?」 さすがに大袈裟だよ。 と、みいこは笑うが、俺にとっては死活問題である。 まったく笑えない。 「し、知らないのか、みいこ。この季節は炬燵で丸くなっているのが、俺流の過ごし方なんだ。だから帰ろうぜ。」 「なにそれ?そんなことしたら酸欠になっちゃうよ?」 と、首を傾げて、俺の方を見る。 みいこは、寒さに全然堪えていないようで羨ましい。 この差はなんなのか。 女の子は寒がりじゃないのか。 というか、ツッコミいれるところ、間違えてないか、みいこよ…。
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