4人が本棚に入れています
本棚に追加
【椿】
連れてこられた教会。
普通の時に来たのなんて初めてだ。
「結婚って言ってたの言い間違いじゃなかったんだ…。」
「!!!聞こえてたの!?」
「え?あ、うん…。」
こくりと頷き、握った手に力を入れる。拓海が、「マジか…」なんてぶつぶつ言いながら頭を抱えてる。
「嬉しい…」
「え?なあに?」
「絶対、もう一回連れてこいよ!
って、言ったの。」
拓海の事信じてる。
だから、きっと俺をもらってくれる気でいるんだとも思える。
「約束破ったら、縛って海に捨てるくらいじゃ足りないからな!」
むぅっとしながら、ビシッと拓海を指差す。
拓海なら大丈夫。
やっぱり無し。なんて絶対言わない。
ホントは、最後の最後までならないと怖い。
信じて待ち続けて、帰って来なかったものが多すぎて…
平気なフリして、笑って誤魔化してきたから自分の中で解決してない事も多くて…
でも、大丈夫。
拓海は大丈夫だ。
「信じてるんだからな。ちゃんと連れてこいよ…?」
最初のコメントを投稿しよう!