第1話

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【椿】 連れてこられた教会。 普通の時に来たのなんて初めてだ。 「結婚って言ってたの言い間違いじゃなかったんだ…。」 「!!!聞こえてたの!?」 「え?あ、うん…。」 こくりと頷き、握った手に力を入れる。拓海が、「マジか…」なんてぶつぶつ言いながら頭を抱えてる。 「嬉しい…」 「え?なあに?」 「絶対、もう一回連れてこいよ! って、言ったの。」 拓海の事信じてる。 だから、きっと俺をもらってくれる気でいるんだとも思える。 「約束破ったら、縛って海に捨てるくらいじゃ足りないからな!」 むぅっとしながら、ビシッと拓海を指差す。 拓海なら大丈夫。 やっぱり無し。なんて絶対言わない。 ホントは、最後の最後までならないと怖い。 信じて待ち続けて、帰って来なかったものが多すぎて… 平気なフリして、笑って誤魔化してきたから自分の中で解決してない事も多くて… でも、大丈夫。 拓海は大丈夫だ。 「信じてるんだからな。ちゃんと連れてこいよ…?」
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