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【椿】
てきぱきと服を着せられて外に出る。
体は、一回り小さくなってしまったのか、服は大きく感じるし、靴も違和感。
繋いだ拓海の手も、いつもより大きく感じる。
拓海が、このまま女の子のままでも…って言ってたけど…
そっか…
無くなっちゃったモンが生えてくる訳ないよな
…って事は、やっぱずっとこのまま?
俺は、物心ついた時から男が好きだった。でも、だからと言って“女になりたい”と思ってた訳じゃない。
たまに、性別間違って生まれたんだな…
と思った事がない訳じゃないけど
ああ、どうしよう
今更余計に怖くなってきた。
「あのさ、俺…女の子になりたいって思った事ないんだ。」
うん?と不思議そうに顔を覗いてくる拓海を見つめ返しながら続ける。
「恋愛対象が男だったから、ノンケ相手には最初っから期待しないし、でも、たまに女の子のトコに戻るヤツとかいて、その時だけは女だったら良かったのにって、女は狡いって思ったけど…
実際なったらスゲー怖い…
病院の話、一緒に…傍で聞いてて」
女の子になったって言うなら、子供出来るのかな?
もし、そうなら
そんな機能全部取っ払ってくれて構わない。子供は出来ないと、もう分かってたから居なくて大丈夫。
それより、子供が出来て拓海を縛り付け
るような事にしたくない。
一緒に住んでる。
それだけで幸せで、そんなに欲張っちゃ駄目だ…
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