第1話

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【椿】 てきぱきと服を着せられて外に出る。 体は、一回り小さくなってしまったのか、服は大きく感じるし、靴も違和感。 繋いだ拓海の手も、いつもより大きく感じる。 拓海が、このまま女の子のままでも…って言ってたけど… そっか… 無くなっちゃったモンが生えてくる訳ないよな …って事は、やっぱずっとこのまま? 俺は、物心ついた時から男が好きだった。でも、だからと言って“女になりたい”と思ってた訳じゃない。 たまに、性別間違って生まれたんだな… と思った事がない訳じゃないけど ああ、どうしよう 今更余計に怖くなってきた。 「あのさ、俺…女の子になりたいって思った事ないんだ。」 うん?と不思議そうに顔を覗いてくる拓海を見つめ返しながら続ける。 「恋愛対象が男だったから、ノンケ相手には最初っから期待しないし、でも、たまに女の子のトコに戻るヤツとかいて、その時だけは女だったら良かったのにって、女は狡いって思ったけど… 実際なったらスゲー怖い… 病院の話、一緒に…傍で聞いてて」 女の子になったって言うなら、子供出来るのかな? もし、そうなら そんな機能全部取っ払ってくれて構わない。子供は出来ないと、もう分かってたから居なくて大丈夫。 それより、子供が出来て拓海を縛り付け るような事にしたくない。 一緒に住んでる。 それだけで幸せで、そんなに欲張っちゃ駄目だ…
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