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薄赤むらさき色の短髪に、ニアと同じ深い青の瞳。
角度のきつい目つきながら笑うとかわいいのに、笑うのは苦手と言っていた。
ニアとアステルほどの長身で、二十歳を過ぎてなまめかしげな体形に大人の魅力が感じられる。
そのカトレアに案内されて、2人は屋敷の中へと入っていった。
カトレア「あるじは今、アレンビー子爵と面会中でございます。
こちらでございます」
おもむきのある長廊下を並んで進み、人声のする部屋の前で立ち止まる。
【コンコン……】
カトレア「カトレアでございます」
声『入りたまえ』
彼女が上品にドアをノックすると、中から公爵らしき声がした。
開扉して一歩踏み入り、室内の者に向かって告げるカトレア。
カトレア「メルヴィル様をお連れいたしました」
オルブライト「おお、アステル君、よく来てくれたな、入ってくれ」
彼女がおじぎをしつつ脇へひかえたので、アステルとニアはすみやかに入室した。
ニアの背後でカトレアが静かにドアを閉めると、アステルは公爵の差し出した手を受け止めに進み出た。
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