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五月 「ん~~っ」 目覚ましを鳴らすことなく、体内時計だけで起きた体を思い切り伸ばす。 起き抜けの伸びって気持ちいいよねえ。 と、なんか変な感じ。胸部へのいつもと違う圧迫感に視線をおろせば、見慣れない隆起があった。 「…んー?」 上から抑えるように触れば、ふにふにと柔らかい。 あれこれ女の子のおっぱいじゃん。 不思議に思って顔洗いがてら洗面所に向かうと、嵌め込まれた鏡に映る自分に違和感。あ、背が低くなってる?ていうか、全体的に一回り小さくなった感じ。 あとはー、うん、なんかほっぺがふくよか? 「もしかしてー…」 下を覗けば案の定。 いやん、オレの勲章なくなってるんだけどww まあ体調の悪さは感じないし、気にしないでいっか。 息子さんもずっと使ってないし、誉さんみる限り今後も出番はなさそうだったし。 問題は服のサイズかなあ。自分の服なのに彼シャツ状態だもんねえ。 とりあえずいつも通りの朝の支度を終えてから、寝坊助さんな旦那サマを起こしに行く。 「誉さーん、朝だよお。」 ゆさゆさと揺すりながら、あ、声も高いやーなんて発見。 相変わらず寝起きの悪い誉さんは、布団にくるまりごろんと背を向けてしまった。 こーゆー時はー、布団の端を持ってー、 「そおれっ!」 ばさっと布団を上に引っ張りあげましょ☆ 再び、布団を剥がれてごろんと仰向けになっただろう誉さんに声をかける。 「おっはよー誉さ、ん…?」 「んー…」 おやまあ。 不服そうに唸り声をあげる誉さんの胸にも、なにやら膨らみがww 「ちょ、誉さん起きて起きて、ちょー面白いコトになってるからww」 流石に寒いのか、自分の体だけでも丸まって暖をとる誉さんを強めに揺する。 「ん…五月くんまだ寝かせて……ん?」 「いやあ、起きたほーがいいと思うよお?」 自分の声に違和感があったのか、寝ぼけた眉ねが寄せられる。 のそのそと上体を起こした誉さんと目が合う。 「あれ…五月くんなんだか違いませんか?」 「うん、オレもだけどー、誉さんもだよww」 誉さんの胸を指差し目線を下げさせると、しばらくぼうっと見たのちにピシリと固まった。 そして、何事もなかったかのように再びベッドに横になった。 「ちょ、現実逃避しないでww」
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