115.別たれた希望 北の大地を目指して 

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 準備が出来次第、すぐにでも出発する」 「はい」 私は土方さんに一礼をして、桶を手にして救護所の方へと水を運ぶと、 その足で与えられている部屋へと移動する。 旅支度を手早く済ませると、舞宛に置手紙を残す。 ★ 舞へ 私、土方さんと箱館まで行くね。 舞は多分、会津で斎藤さんたちを見守りたいと思うから。 ここからは別行動。 でも私……箱館で舞を待ってるから。 また会おうね。 二人でちゃんと向こうの世界へ帰るんだからね 花桜 ★ 何時までだっても書きなれない筆と格闘しながら、 手紙を書き終えると、懐かしい向こうの世界の便箋の折りたたみ方で、 舞への手紙を支度すると、舞の荷物の傍へとそっと置いた。 行ってきます。 心の中、そう言って私は静かに部屋を後にした。 外へ向かう途中、舞が斎藤さんと親しげに話しているのが視界にとまる。 舞、元気になって。 斎藤さん、舞を宜しくね。 そんなことを考えて祈りながら、私は土方さんたちが待つ場所へと向かった。
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