第一章  ~ピンク~

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ピンクは、同じ年に生まれた友達がいないことに、今更ながら気づきました。妖精の寿命は大変長いので、例えば二十年位年齢が離れていても、大して年齢が離れているわけではないのです。友達は沢山いましたから、ピンクは同じ年に生まれた友達がいないことを不思議に思ったことはありませんでした。 「あなたの誕生に関わるほうき星は真っ赤でしたね。夜空を夕日のように赤く染めていました。 運命の子は白と黒に属すると言われています。朝に生まれたラダンは白に、夜に生まれたピンクは黒に属します。」 「白と黒。 どんな意味があるんですか。」 「そうですね。あなたはこの世界の創世記についてどこまで知っていますか。」 「ちゃんと習ったことがないので、よかったら教えて下さい。」 「それでは。」 と、老師はよく通る声で話し始めました。
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