第一章  ~ピンク~

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初代の王の意向により、人間達は、他の種族に対してはおおむね寛容でした。しかし、この時彼らは他の生き物の領域までをもまきこんだのです。土地は焼かれ、水は断たれました。結果、多くの種族そして生き物が絶滅しました。全てを破壊する長きにわたる争いは、平和を望んだ多くの声に押され一旦終止符がうたれます。しかし、二人は同じ世界での共存を望みませんでした。それぞれが得意とした光と闇の理の力を用いて世界を二つに分けたのです。昼の世界と夜の世界。それが、彼らの最大限の譲歩でした。ここに、新たな秩序が現れたのです。光を望むものは昼の世界へ、闇を好むものは夜の世界へと向かいました。 そうして、その時から世界は二つに分断されました。 そんな混乱の時代、我々妖精族の先祖は昼と夜の世界の境に、ある森を見つけました。幸運にもその森に忘れられた幻の土地を発見したのです。その土地こそ古文書に記された『世界のへそ』です。 さて、この土地は二つの理の狭間にあるために、前時代の時の流れをそのまま残していました。つまり、一日のうちに朝と夜を迎えることができるのです。そうして、我々はこの土地に結界を張り再び安住の地を築いたのです。 ~
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