第一章  ~ピンク~

26/30
前へ
/30ページ
次へ
しかし、やがて彼らにも老いが生じ始めます。再生は破壊の何倍の時間を要します。世界の完全なる修復は彼らの治世では間に合いません。その為、王達は時間が世界の傷を癒すように新しく理を発動させます。 王達の最終的な望みは二つに分断された世界の融合でした。その為にはどうしても、領土の回復後に力を持った者の存在が必要です。 前世界の王は力を血によって次世代へと継承させました。しかし、それが争いの種であり、やがて来る世界の修復の時まで、その力を保てないことを、彼らは知っていました。 王達は苦肉の策を練ります。次世代への力の継承を捨て、未来へその力を飛ばしたのです。長い年月を経て、領土の治癒が終わった、後の世に誕生する子孫へと、その力を隔世的に飛ばしました。望みと共に託したのです。 しかし、世界の均衡を変える力をどう用いるのかは、力を得た者の判断にまかせるしかありません。 後の世界が望む形で己の力が使用されるようにと、祈るように願いながら、同じ時、彼らは死へと旅立ちました。 ~
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加