第二章  ~ラダン~

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ラダンは羽ばたくのを止め、真っ逆さまに落ちて行きました。硬い地下の木の根にぶつかる瞬間、羽をうまく操り上手に着地します。ラダンは地下の根をノックします。 「お入り。」 地下の根が横へ動き、地面がぱっくり開きます。ラダンは中に身を滑らしました。 「なんだ、まだベッドの中じゃないですか。」 老人が三角帽子をかぶって、ベッドの中から手を振っています。 「そう言いなさんな。こうして、ぬくぬくと朝を過ごすのが最近の日課になっておるんじゃ。」 ラダンの治りかけの火ぶくれの痕に目をとめ、老人は言いました。 「おや、また好奇心を抑えられんやったようじゃの。はは。全くおぬしは始末におえんな。」 愉快そうな口ぶりには非難の色はありません。 「おじいさん、今日は父さんがやってくるらしいんだ。何か大事な話があるんだと思う。」 「なぜ、そう思うんじゃ。」 「父さんが決まった日以外にこっちに来ることなんてなかったから。」 「ふむ。そろそろ起きるかな。よっこらしょ。ラダン今日は冷えるの。呪を施こしておくれ。」 ラダンは小さな暖炉に両手をかざし、朝の光を持ち込みます。段々と強い光は淡くなり、部屋が少しずつ暖まりました。 「ふむ。うまくなったのう。木に悪い影響を与えない良い呪じゃ。」
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