第1章 幼少期

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第1章 幼少期

私は私立の幼稚園へ入園した。 途中入園で2年保育だった。 入園してからすぐ給食がどうしても食べれなくて幼稚園に行くのが嫌になった。毎朝泣いて親を困らせる子だった。 でも幼稚園の年長さんになった頃、他の幼稚園から転校してきた子がいたミカちゃんだった。 ミカちゃんとは最初の頃すごく仲良かった。私が初めて声をかけ、友達になった。 でもある朝からシカトされるようになった。 幼稚園児の頭ながらに必死に何か悪いことをしたんじゃないかって考えた。でも分からなかった… 今、思えば女の子独特の(あの子ちょっと嫌だな)っていうのが集団意識で広まったしょうもないことだと思うんだけど、その頃はその子しか友達が居なかったからひとりぼっちになってしまった。 家では父親があんまり帰って来ず、たまに帰って来ては「なんで居るの?」「なんでお前と一緒にメシ食わないといけないんやまずくなる。」など言われた。 存在自体が嫌われてるのかなって毎日思っていた。 あー私はいらない子なんだなぁって幼稚園児だけど考えていた。 幼稚園も楽しくない、家も楽しくない、もう死のうかなって。 幼稚園児、若干4歳なのに死のうとした。 ある日、本当にこれから生きていくのが嫌になって死のうと思った。マンションの最上階のエレベーター室のある階へ行った。 8階から飛び降りたら死ねるだろうと思って柵に手をかけて下を見降ろした。柵を掴んでる、この手を離せば私は死ぬんだなぁってぼんやりと考えていたところだった。 エレベーター室から作業員のおっちゃんが出てきて「こらこらー、そんなことしちゃ危ないやろー」と私を持ち上げ、地面に下ろしてくれた。 ちょっと怒られたけど、あぁ私みたいに小さい子が死のうと思ってるなんてこのおじさん考えてないんだろうな…と思ったら少し愉快な気持ちになったのを覚えている。私はその日死ぬことを止めた。
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