26人が本棚に入れています
本棚に追加
自分達は今、地上の生き物達から贈られた物を身につけている。
彼等は自分達の身から、技から作り出した物を親神に捧げる習慣がある。
衣服もそのひとつであり、エダーナは身につけたそれが風になびく様子が面白いと喜んでいた。
その衣服の下、エダーナの背に、決して見過ごせないほどの傷が隠れていたのだ。
「何でもない」
ややぶっきらぼうに言いながら彼女はその体を離そうとするが、すんなり了承するわけにはいかなかった。
「これが何でもない傷かっ!?」
「い…痛っ、痛いよっ、ヴァードァナ!」
わざとではなく、エダーナは本当に感じる痛みのために顔をしかめた。
その逃げる体をとらえ、背中が確認できるぐらいに衣をずらす。
そこには間違いなく傷と言える事象が刻まれていた。
最初のコメントを投稿しよう!