26人が本棚に入れています
本棚に追加
地上の生き物達とは違い、力を司る者達の体は力が結晶したものだ。
だから地上の何者も、司る者に傷を残すなどできないはずである。
それが可能なのは、同じ形態の力だけだ。
「これは火によるものか…、まさか、フェスがやったのか!?」
「違うっ! フェスのせいではないっ……私が、うっかりしていたんだ」
「訳を言え、エダーナッ!」
怒って問うヴァードァナに、エダーナは言葉に詰まり、つい押し黙ってしまった。
「フェス! ここに来い!!」
「ヴァードァナッ!!」
怒りのために気短かになっているのだろう。
黙ってしまったエダーナにそれ以上聞かず、ヴァードァナは火の神を呼びつけた。
「何用ですか? ヴァードァナ」
力ある呼びかけに、フェスが夜の灯火となって現れた。
最初のコメントを投稿しよう!