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予想外過ぎて、つい先ほどまで感じていた猛烈な怒りが一気に抜けてしまったほどだ。
火が鎮火するように徐々に静まるのではなく、手から物を落とした時のように、ストンと彼の心から転がり落ち失せてしまった。
フェスの言葉はそれほど彼を戸惑わせていた。
「大地に生きるもの達の中で、ヒトは、とても変わっています」
言葉を選ぶように、フェスはゆっくりと話始めた。
「彼等はまるで、私達の姿を追うように、真似るように変化を繰り返し続けています」
だから力を司る者達は、彼等に興味を持って接する。
「今ではもう、ほとんど変わらないと言ってもいいでしょう。だから、思いついてしまいました」
その時にはこんな事態になるとは、フェスも誰も、微塵も考えてはいなかった。
「ここまで似ているのならば、私達と同じように、力を扱えるのではないか、と……」
もちろんヒトには、力そのものはない。
そして思いついたのが、自分達の力を彼等が使えはしないか、という試みだった。
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