第2章 大切だから

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 長い、とても長い時間の果てに、結晶は様々な形をとった。  植物が生い茂り、動物が活動する。  水に、陸に、空にとそれぞれに属し種族ごとに暮らしながらも、すべてが大地の子供として生きている。  そしてその子供達の親である、五人の神々が特に興味を持って見つめているのが゛ヒト゛と名付けた種族だった。  彼等は代を重ねるごとに、なぜか自分達に似てくる。その変化は見ていて飽きない。  姿が似てくると当然、感情表現も似る。そして思考までもが自分達に似てくると、話をするのもひと味違っていて面白かった。  「またヒトを見ているのか?」  ヴァードァナが地上に降り立ち、エダーナに声をかける。  闇の神の降臨で、地上の半分に夜が来た。  夕闇としてまだ少し明るさの残る中、エダーナは立ち上がり伸びをする。  「うん。ヒトを見るのは好きだよ。私もあの中に混じりたくなる」  ヒトの集落は今いる場所からかなり離れているが、二人には充分に知覚できる距離だ。  「よく飽きないものだ」  「おまえだって似たようなものじゃないか」
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