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呆れぎみのヴァードァナに笑って返す。
「天にいる間も時々、見ているだろう? わかってるぞ」
その指摘に、彼は今度は真剣に呆れた。
「私が時々見ているのはおまえだよ。またヒトにかまっているのかと眺めているんだ」
「私?」
きょとんとしたように自分を指差して首をかしげるエダーナに苦笑する。
この意識がこの形をとったから、彼は今の姿を望んだ。
天にとって最も気になるのはこの大地だと何度も告げているのだが、いまだにどうにも、彼女との間に感覚のズレを覚える事がある。
「ヴァードァナ? どうしてそんな顔をするんだ?」
見ると、エダーナが不安げに眉をひそめてヴァードァナを見上げていた。
「私は何か、おまえが悲しくなるような事を言ってしまったか?」
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