第3話

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「そこに、まだ開いてはいませんが、第三の目があるのです。」 「第三の目。僕はどうなるんでしょうか。」 「さあ。開眼の時が来るまではなんとも言えませんね。開眼しないままかもしれませんし。しかし、もしその時が来たら、バルスに結界を張ってもらいなさい。その中で、力のコントロールを自力で習得するのです。未知数ですが、あなたなら痛みと力をコントロールできるでしょう。」 「バルスの額のこぶですが。あれはいずれどのようになるのでしょうか?」 「それも時間の問題でしょう。しかし、二人の額に変化が訪れるということは、何か意味があるのかもしれませんね。」 ラダンは目を閉じてそっと額に触れてみました。なんだか目と目の間、ちょうど鼻の上に何かがあるのを感じるような感覚と似ています。そこにあるのが自分の手であると分かっていても不快な感じがするのです。 ふと、きしんだノックの音が聞こえてました。老師が答えます。 「どうぞ。」 扉が勢いよく開きピンク色の髪の毛が目に飛び込んできました。 「お呼びですか。」 ピンクです。 「よく、いらっしゃいました。こちらへ、どうぞ。」 老師はピンクにラダンの隣の席をすすめます。彼女にもお茶を出した後、老師はおもむろに言いました。 「さて。ピンク、いいタイミングで現れましたね。 今日わざわざお二人をお呼びしたのは、あなたがたの旅立ちが真近に迫ったためです。 そこで、お二人に教訓を与えようと思ったのです。さてさて、その前に。」 タイ=ピンはにっこり笑って立ち上がり、戸棚から小箱を取り出します。 「残念ながら、現時点で、ピンクよりラダンの力が高いのは明らかです。おっと、ピンク、落ち込む必要なんてありません。 実は選別があるのです。」 老師が小箱を開けると中には緑の生き物がいます。手の平に乗るくらいの大きさで、とてもかわいらしい生き物です。 「亀だわ。素敵。」
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