第3話

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果てしなく広がる海に巨大な大陸が浮かんでいます。大陸はちょうど真ん中を境に光と影に分かれています。光の世界では、海は透き通り、ゆらゆらとエメラルドグリーンに輝き、かと思えば真っ青な青へと絶えず変わっています。それは、まるで色が踊っているようです。 闇の世界の海はというと、青く、重たげです。光の世界から離れれば離れるほど次第に深い闇色へと変わっていきます。光の世界から、視線を闇へと転じても、ただ黒い世界が広がるばかりで本当の姿は見えません。しかし、闇に族するものならば、闇色の輝きが分かることでしょう。鮮やかさをみつけることができるでしょう。 理の支配する世界。その光と影の世界を分ける境界線は海に浮かぶ唯一の巨大な大陸の中心に見ることができます。なぜなら、くっきりとそこで光と影に分かれているからです。その境界線に沿って、幾重にも山脈が走っています。その中でもひときわそびえ立つ巨大な山があります。それは高く高くそびえ立ち天までつきささっています。そうして、天は山によって落ちてこないように、どっしりと支えられています。そのため、世界の中心のその山から離れれば離れるほど、空はだんだん低くなって行くのです。光の世界では、中心から離れれば離れるほど、空の色が濃くなって行くのが分かります。どんどん空はあいまいとなって海になって行く証拠です。さらに、大陸の端へ端へと向かえば、やがて広がる陸の果てで、空と海が交わるところを見ることができます。気をつけなければ、呑み込まれてしまうでしょう。 海と空を、光と影とを隔てる場所。その世界の中心というべき場所は昔から「世界のへそ」と呼ばれてきました。 「ピンク。何の記述を読んでいるの?」
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