第3話

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「ラダン!世界の成り立ちのところよ。おさらいしているの。 旅立ちの日が近いのに、学ぶことが多すぎて、なんだかめまいがしてくるわ。」 「はは。大丈夫だよ。記述がどこまで正確なのか、行ってみないとわからないから。 いたずらっこ達の剣の鍛錬が始まるよ。今日は面白いから見に行こう。」 「面白いですって?ラダン、あの子たち、またろくでもないことをたくらんでいるんじゃないでしょうね。」 ピンクは顔をしかめて、分厚い本を閉じます。この大きな図書館は首を上にそらすほど、本棚が高く、ぎっしりとすみずみまで古く厚い本でおさまっています。一度ゆっくり表紙をなぞり、ピンクは羽をひらひらさせて、垂直に飛ぶと、本を天井近くの棚にしまいます。 「それで、今日はどこで鍛錬しているの?」 上から見下ろすとラダンの少し伸びた髪が窓から差し込む光を受けてきらきら輝いています。ラダンはにやっと笑っていいました。 「虹山さ。」 「虹山!遠いわね。」 「うん。だからワープ石を持って来たよ。」 「素敵。」 うれしくなって、ピンクはくるっと一回転しました。
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