第3話

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ワープ石を使って空間を飛び越えると、剣と剣が織り成す軽快なリズムが聞こえてきました。ワープ石で空間を超えることにいまだに慣れないピンクは、少しくらくらしました。そんな様子をみやってラダンはピンクを支えてくれました。 虹の上でバルスとアキラが剣の稽古をしています。虹は雲をつなぐ橋です。しかし、次々に現れては、消えて行きます。大きな大きな入道雲を虹の橋が消える前に飛び移る二つのよく知る姿をみつけました。剣を交えながらバルスとアキラは勢いよく上へとかけあがって行きます。 ふと、アキラは二人に気付き、剣を引きます。 「ラダン、ピンク~!おはよう。」 元気よくアキラが手をふりました。 ちょうど雲の隙間から射した朝日を背なかにしょって、アキラとは反対にいたバルスのシルエットが浮かびあがりました。均整の取れた姿が幼さの残るアキラとは対照的です。なんとも言えないオレンジ色が劇的な効果をあげているからそう見えるのでしょうか。目を細めながらピンクは答えます。 「おはよう、二人とも!」 軽く手を上げて答えたバルスが、いつものはにかみ笑いをしているのがラダンには分りました。 「ピンクは、本当に朝弱いよね~。まだまだ子供なんだから。」 ひょうひょうとアキラが言います。 「まぁ、失礼ね。今日は別に寝坊していたわけじゃないんだから。勉強していたのよ。そんなことは、いいから練習、練習。」 「ははは。」
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