Cαfё 1

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「いただきます」 「店長、俺も同じのお願いします」 「ちょっと待っててくれな」 「はいっす」 環が元気よくそう応えると、澪は美味しそうにケーキを頬張っていた。 「早坂ってさ?」 「ん?」 「彼氏とか居る?」 「…! ゴホッ」 「あ、ごめん? 大丈夫か」 「な、何をいきなり?!」 「嫌、居ないならいいんだけどさ?」 「何それ?」 「俺、早坂気に入ってるから」 「へ?」 「早坂が好きなんだよ」 「…?!」 澪がビックリして目をパチクリさせていると、環はフッと微笑む。 「俺と付き合わない?」 「えっと、ありがとう? でも好きな人は居るんだけど?」 「え? そうなのか?」 「ケーキセットお待たせしましたね?」 「あ、ありがとうございます」 環はケーキセットを受け取ると、澪の方をまた見つめていたが首を傾げている。 「それって、クラスの奴?」 「ううん? 今、私たちの目の前に居るんだけど?」 「え? まさか店長さん?!」 「そうよ? 私の好きな人でアタック中なのよ」 「へ、へぇ? 大人が好きなのか?」 「大人がって訳じゃないよ? 稚空が好きなんだよ」 「ふぅん? でも、考えてはみてよ? 俺も諦めない」 「そう」 澪はそれだけ告げると、稚空の方をジッと見つめていた。 「どうした、澪?」 「ううん? 稚空妬かないかなぁーって見てた」 「フッ 妬くって何で?」 「今告白されたのよ? 妬かないの?!」 「うん、全然?」 「もぉー 稚空意地悪してる!」 「恋するのは自由だが、ここはラブ喫茶じゃないから他行ってやれな」 「私は稚空が好きだって言ってるでしょーが!」 「ふぅん? 本気だったのか」 「当り前でしょ! 何で知らないフリするのよ!」 澪がムッとした顔で稚空に突っかかっていると、稚空は楽しそうにこう告げる。
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