Cαfё 1

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「俺は単に澪が拗ねたり怒ったりするの見たいだけだよ?」 「私は本気なんだからちゃんと考えてよ!」 「うーん? そちらさんはどうする?」 「俺もちゃんと考えて欲しいな」 「えっと… 浅野くんの事はクラスメートの1人として見てたからその…」 「じゃあさ? デートしてみようよ」 「へ?!」 「ちゃんと意識してもらいたいし、デート」 「えっと… 浅野くん何か楽しんでない?」 「うん、デート楽しみ」 「まだするとは…」 「しないんだったら、ずっと諦めないけどね? ちょっとぐらいこっち向いてくれても良くない?」 「う、うぅ」 澪が環の発言に打ち負かされていると、稚空はフッと楽しげに笑っている。 「稚空、何か楽しんでるでしょ?!」 「澪がそんな口籠るとか初めて見たからちょっと可笑しくってな?」 「笑い事じゃないのよ、全く」 澪はまた拗ねた顔で稚空を睨んでいたが、環に手を握られてそちらに顔が向いてしまう。 「早坂、デートしてくれる?」 「あ、あの… わかったから手を離してくれない?」 「本当?」 「うん、デートするから」 澪は戸惑いながらそう告げると、環は嬉しそうに抱きついてきた。 「…?! あ、浅野くん?!」 「環って呼んで」 「た、環くん?」 「俺も澪って呼びたい」 「とりあえず離れてくれたらいいけど?」 「あ、ごめん! 嬉しくってつい」 「…ビックリした」 澪はビックリした表情だったが、離れてくれてホッとした顔になっていた。 「これ連絡先だから登録しといて?」 「赤外線でやったら早いでしょ?」 「交換してくれるの?!」 「うん、いいけど?」 環は嬉しそうに笑うと、携帯を取り出すと連絡先を赤外線で交換していた。
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