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「澪ちゃんの都合のいい時でいいから、待ってるね?」
「わ、わかった」
澪が戸惑いながら返事を返すと、環はケーキセットを食べて会計を済ますと帰っていった。
「さて、そろそろ閉店かな」
「稚空、掃除手伝っていい?」
「いいのか?」
「うん、いいよ」
澪は箒とモップを持ってくると、掃いてからモップ掛けをせっせとやっていた。
「澪、何か作ってやろっか」
「え?
夕飯食べていいの?」
「スノーと遊んでくれるなら、ご馳走作ってやる」
「餌あげたりしていい?」
「勿論いいよ」
稚空は表の看板を中に入れて店の鍵を閉めると、2階へと上がっていくので澪も付いていく。
「ふふっ
スノー久しぶりだね?」
「にゃー」
「相変わらず可愛いなぁー」
澪はスノーと暫くボールや猫じゃらしで遊んでいたが、餌を食べさせていると澪もいつの間にやら寝てしまっていた。
「ん?
何だ、寝ちゃったんか」
稚空はブランケットを持ってきて澪に羽織らせると、澪は気持ちよさそうに眠っていた。
「…」
「んー」
「あ、睫毛ついてる」
稚空は澪の目元を軽く触ると、睫毛をさっと取り除くとフッと微笑む。
「稚空?」
「へ?」
「今、触った?」
「睫毛ついてたから拭っただけだよ?」
「そ、そっか…」
澪はムクッと起き上がると、よろけてしまい稚空に抱きつく形になった。
「あ、ごめん?
すぐ…?!」
「…」
「稚空?」
「澪ってモテるのな」
「へ?」
澪は稚空に抱きしめられている事に戸惑いながら顔をあげると目が合う。
「稚空、どうしたの?」
「嫉妬」
「え?」
「したんかも」
「?!」
「つーか、デートすんの?」
「今更だよ、稚空!
さっき言ってくれたら嬉しかったのに」
「うん?
でも、仕事中に嫉妬剥き出しってヤバくない?」
「ふふっ
何それ」
澪は無邪気に胸の中で笑っていたが、稚空は澪の顔を持ち上げてはジッと見つめてきた。
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