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「稚空?」
「んー
俺、お前盗られんの嫌なんかもな」
「ん?
何か好きな玩具盗られるのと同じ扱いっぽくない?」
「ちゃんと人だと認識はしているが?」
「妬いてくれたなら、嬉しい」
「それより、離れなくていいのか?」
「え?
どうして?」
「あっ…
もしかしてキスしたいとか?」
「な、何でそうなるのよ」
「だって、ショコラはキスしたがるじゃん?」
「そ、それは…
稚空とならしてみたいってだけで別にしたことはないんだからね!」
「ふぅん?
じゃあ、してみる?」
「え?!」
澪がそのような提案に戸惑っていると、稚空はフッと微笑むと離れた。
「さて、夕飯作んないと」
「稚空!
しないの?」
「澪が本当にしたいなら澪からしてきたら?」
「なっ?!
何ですか、それは!」
「俺からがいいの?」
「そ、それはちょっとあるけど…
稚空私を好きって事じゃないんでしょ?
ヤキモチは妬いたかもだけどさ」
「まあ、嫌いなら店にも入れないけど?
自宅にもな」
「…!
そ、そうだよね」
「つーか、デートするのか?」
「えっと、約束しちゃったししなきゃでしょ?」
「まあ、そうだな」
「稚空、嫌?」
「…うん、嫌かも」
稚空がキッチンに立ちながらそう告げると、澪は嬉しすぎて後ろから抱きついた。
「澪、手元狂うんだけど?」
「稚空、好き」
「うん、多分俺も」
「多分は要らないんですけど?」
「ほら、料理するから離れて」
「稚空、送ってね?」
「わかってるよ」
稚空はフッと微笑むと、慣れた手付きでパスタを作り始めていた。
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