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午後18時。
今日はゲリラ豪雨の為、通常よりもかなり客足が少ないので暇だった。
そんな天候な為、商売は繁盛しないのは当然の事で煙草を何となく吸っていると扉に掛けてあるベルが“カランカラン”と鳴る。
「いらっしゃい」
「…。」
「お客さん、傘は持ってないの?」
「…いきなり降ってきたから」
「タオル持ってる?
無いなら、貸すよ」
「…いい」
彼女はそう告げると、上着を脱いでハンカチで髪なんかを拭いていたが足りるはずがない。
「風邪引くから、これ使って」
「…いいってば」
「何で?」
「お金ないから…」
「…タオル貸すのに金取らないけど?」
「………うっ」
彼女は寒そうに身体を震わせると、タオルをまだ受け取らないため俺はバスタオルで包み込んだ。
「つーか、風呂貸すから入る?」
「えっ…」
「今、俺の事変な目で見たな」
「…ちょっとだけね」
彼女は素直にそうぶちまけると、バスタオルにくるまり身体を拭いていた。
「だから、風呂貸すから来て!」
「えっ?!
ちょっと、大丈夫だから良いってばぁー」
「ほら、入ってこい!
服は何か貸すから」
「…わかったわ」
彼女はそうボソッと呟くと、大人しく風呂に入ってくれたので服を探すことにした。
「確か、夏希が置いていったパジャマがあったよな」
「ねぇ…
もう上がったんだけど?」
「へっ?」
俺はビックリして後ろを振り返ると、バスタオルで身体を隠している彼女が立っていた。
「ごめん。
これ、妹が置いていった奴なんだけど…」
「パジャマ?」
「服もあると思うんだが、なかなか見つからなくてな」
「ふぅーん?
まあ、いいけど…」
彼女はそう告げると、パジャマを受け取り脱衣場へと逆戻りしていった。
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