Cαfё 1

3/15
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「スノー、何やってんだ? こっちこいって…」 「…ミャー」 「来ないと餌ないよ?」 俺が意地悪気味にそう言ってみせると、スノーはミャーと鳴きながらこちらに飛び付いてきた。 「よし、いい子だな」 「ネコ飼ってるんだね、お兄さん」 「あぁ。 スノーって名前なんだ」 「ふぅーん? 可愛い名前ね」 「可愛いってよ、スノー」 俺がスノーの背中を撫でながらそう告げると、スノーは嬉しいのかその辺を駆けていた。 「ご機嫌だな、お姫様は」 「…ねぇ」 「何? まだ寒いなら、これ羽織る?」 ブランケットを差し出すと、彼女は素直に受け取って羽織ってくれていた。 「あ、何か温かいの飲む?」 「お兄さん、名前何て言うの?」 「俺? 稚空だけど…」 「…稚空」 「んー 俺、一応年上なんだけどね?」 「…稚空さん」 「まあ、別にいいけど… 君は未成年だろ?」 「未成年は喫茶店に来てはいけない?」 「そうじゃないよ。 ただ、雨宿りに寄っただけだろ?」 「最初はそうだったけど… 稚空に興味湧いたから」 「ふぅーん? んで、君は名前何て言うの?」 「…ショコラ」 「…はぃ?」 「ショコラが名前」 「ふぅーん? まあ、いいや」 「無関心?」 「嫌。 秘密ってみんなあるじゃん? 君もそうなんだろ」 「…まあ、そんなトコかな」 「ショコラは、何歳? 俺は21だよ」 「…17で高3」 「若いなぁー 青春真っ盛りだよなぁ…」 「別に普通だけど?」 「ショコラはみんなから冷めてるって言われてないか?」 「私、学校では明るい性格で通してあるから… 今は素だけどね?」 「何で今は素の方? 俺、赤の他人じゃん」 「…稚空って普通だから」 「普通? まあ、確かに普通かもしれんが…」 「ここ、一人でやってんの?」 「んー バイトの子、来たり来なかったりだからなぁ…」 「じゃあ、私手伝おっか!」 「はぃ?」 稚空が訝しげな顔で首を傾げていると、彼女はフッと微笑んで何か目論んでいた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!