Cαfё 1

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「煩いよ、澪」 「だって、稚空が!」 「澪って、キスしたがるじゃん? キス魔じゃないなら変態?」 「変態は稚空の方でしょ?!」 「…否定しないけど?」 「…変態だもんね? 否定するのは変よ」 「んで? 澪は変態?」 「ち、違うでしょ! 稚空のバカ」 「ふぅん? つーか、澪って彼氏作んないの?」 「え? 何で稚空が好きなのに作んなきゃなの?」 「本気だったのか?」 「当然でしょ?! 何なのよ、もぅ!」 「なら、キスしてやってもいいけど?」 「え?」 ショコラが驚いた顔で稚空を見つめると、稚空の顔が数ミリの所でピタッと止まった。 「…ショコラ」 「えっと、何?」 「目閉じてくんない?」 「えっ?!」 「瞑んないとしないよ?」 「えっと、本当にするの?」 「澪はしたいんだろ?」 「でも、稚空は別に私が好きな訳じゃないでしょ? 気持ちがないのにされるのはやだよ?」 「なるほどな。 確かにそうだよな? ごめん」 稚空はそう謝ると、ショコラから離れて皿などを洗い始めてしまった。 「ち、稚空?」 「ん?」 「彼女居たことある?」 「…何で?」 「稚空格好いいし、モテるでしょ? だから居たことあっても可笑しくないよね」 「居るよ?」 「え?」 「現在進行形で」 「…うそ」 ショコラが軽くショックな顔をしていると、稚空はフッと微笑みこう訊いてくる。 「ショック?」 「当たり前でしょ?!」 「冗談だよ?」 「えっ?!」 「今は居ないよ」 「本当に?」 「居たら諦めた?」 「諦めないよ?」 「だろーな」 稚空が判っていたようにそう笑うと、ショコラはいきなりギュッと抱きついてきた。
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