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それが不愉快だったのか。
理由はわからないが、人のちょうど鳩尾の上を行ったり来たりし始める。
(ぐっ!苦しいんですけど!むかつくし!)
体が思うように動かないので、庇いようがない状態のあたしは、心の中で悪態をつく。
(人のこと踏みまくりやがって…!どっか行けや!)
しばらく人の上をウロウロしたその気配は、いい加減飽きたのか、それとも満足したのか、消えていった。
(やっと消えた。……寝よ。)
鈍い痛みの残る鳩尾をさすりながら、その晩は眠りに落ちた。
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