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窓際にぼぅっと浮かび上がった白い影はうつ向き加減で立っていた。
(何?!なんなのあれ?!!)
あまりに驚いてしまって声は出なかった。そもそも出せなかったかもしれないが。
(やだ!怖いよぅ!)
あたしは体が動かないまま、ギュッと目を閉じた。
そのまま寝てしまったのだろう。気が付けば朝だった。
(昨日のあれはなんだったんだろう…?)
あたしは無理矢理夢だと思うことにした。
そのままあたしはその出来事を忘れてしまった。
ところが、あれが夢ではないとあたしに確信させる出来事がまた起こってしまった…。
「う……ん」
息苦しい…。
またあたしの意識はあの晩と同じ道を辿る。
(また体が動かない…)
あたしはまた唯一動く目を動かした。
(…!いる!)
窓際に同じように白い影が立っていた。また前と同じくうつ向き加減で。
(なんなのよ!まさかホントに金縛りなの?!)
体はいっこうに動かない。あたしはその白い影に心の中で叫んだ。
(あんた一体なんなの!いい加減にしてよ!)
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