耳元で…

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(どこに繋がってるんだろ…。) あたしはその3段位の階段を降りた。 小さな踊り場があり、今降りた階段の真正面にはなんのへんてつもない扉が一つ。 階段の先に興味を持っていたあたしは、その扉には目もくれず先に行こうとした。しかし、踊り場から続く階段は侵入禁止になっていて、先には進めなかった。 奥を覗き込むと、剥き出しのコンクリートの床と小さなブロック片が散乱しているのが見える。 (先には行けそうにないな~。残念…。) さすがに先には行けない、むしろ真っ暗なので行きたくなかった。 「ちぇっ。」 せっかく面白そうなものを見つけたのに、突然諦めざるをえなくなったあたしは、渋々戻ることにした。 その時、あたしの目にさっきは全く興味を示さなかった扉が映った。 「これはどこに続くんだろ…?」 一度沸き起こった好奇心は止まることを知らず、あたしはその扉のノブに手を掛けた。
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