第4話 輪島浩二編①

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 人生にはいくつもの選択肢が用意されている。  ここだ、というターニングポイントに気付くか気付かないか。  気付いたとして、そこで現れる選択肢のうちどれを選ぶかで、人生は変わる。  そのポイントにある選択肢は、年を重ねるごとに減っていく。  時間は待ってはくれない。  選択肢に正しいも間違いもないが、そこで消える未来は確かに存在する。  たくさんの未来を消した先に今がある。  自分で選ぶことができない運命もある。  元を辿れば、自分の選択の結果と取れないこともないが、それでも。  不可抗力。  勝手に消された未来がある。  選びたくとも選ぶことができない道がある。  どれだけ望んでも、時間を巻き戻すことはできない。  でも。  諦めていた道をもし、選ぶことができるなら。  きっと、地獄にだって行ける。
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