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ホテルに着いたときに携帯を確認すると、ミルクからメールが1通届いていた。
【503】
俺はエレベーターに乗り、5階で降りた。
【着いた】とメールを送ると、少しして503号室のドアの鍵が外される音がした。俺を見るなり、ミルクは頬を膨らませた。
「コウちゃん、遅刻やで~」
「待ち合わせ時間なんか決めとらん」
「ウチが来るまでに来とらんとあかんやん」
「アホ」
俺がベッドに座ると、ミルクはすぐに抱きついてきた。明るめの茶色い髪は、甘く香っている。
ふと気を抜いたところで、ミルクが体重をかけてくる。
明かりは点いたまま。
ミルクの長い髪が、俺の頬に落ちかかる。
ぱっちりとした大きな目は自前だろうか。ミルクの作り物めいた二重瞼をぼんやり眺めながら、分厚い唇を受け入れる。
「……もうやんの?」
「の方がええやろ。キスだけでコウちゃん、もう硬くなってるやん。どしたん? 最近、詩織ちゃんとやってへんの?」
「……」
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