第4話 輪島浩二編①

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 ホテルに着いたときに携帯を確認すると、ミルクからメールが1通届いていた。 【503】  俺はエレベーターに乗り、5階で降りた。 【着いた】とメールを送ると、少しして503号室のドアの鍵が外される音がした。俺を見るなり、ミルクは頬を膨らませた。 「コウちゃん、遅刻やで~」 「待ち合わせ時間なんか決めとらん」 「ウチが来るまでに来とらんとあかんやん」 「アホ」  俺がベッドに座ると、ミルクはすぐに抱きついてきた。明るめの茶色い髪は、甘く香っている。  ふと気を抜いたところで、ミルクが体重をかけてくる。  明かりは点いたまま。  ミルクの長い髪が、俺の頬に落ちかかる。  ぱっちりとした大きな目は自前だろうか。ミルクの作り物めいた二重瞼をぼんやり眺めながら、分厚い唇を受け入れる。 「……もうやんの?」 「の方がええやろ。キスだけでコウちゃん、もう硬くなってるやん。どしたん? 最近、詩織ちゃんとやってへんの?」 「……」
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